イギリスの大学院に留学したいと思った時に、誰しも一度はエージェントの利用を検討するのではないのでしょうか。タイトルについて、結論から言うと、私はエージェントの有料サービスは使わずに無料相談だけ利用しました。エージェントを使わなくても、自力で合格できると思います。
どんなエージェントがある?
「留学エージェント」で検索すると山ほど会社が出てきますが、大半がワーホリとか語学留学用です。イギリスの大学・大学院への正規留学に限定するなら、SI-UKかBEOになります。両方ともオンラインで完結させられるので、どこに住んでいても使えます。
エージェントは何をしてくれるの?
エージェントが何をしてくれるのかと言えば、それはもう「いくらお金を積むか」次第です。SI-UKとBEOの両方が共通して無料でやってくれるのは、留学相談です。これは私も使ったことがあります。「留学したいけれど、学校の選び方が皆目見当もつきません」という人にはちょうど良いと思います。
有料サービスには、英語学習のサポート、志望理由書(Personal Statement)やCV(履歴書)添削、大学への出願やVisa申請の代行などが含まれます。BEOだと学部のGPAの再計算もしてくれます。これは、日本の大学の成績システムだと、イギリス基準よりGPAの数値が低く出てしまうことへの対策ですね。
もうちょっと詳しく見てみましょう。2024年春時点での、超ざっくりした内容とお値段なので、詳細はBEOとSI-UKのサイトでご確認ください。
◆BEO
登録制サポート…2万円だが、大学院に合格・進学したら返金されるので実質無料。手続き系のサポートと添削1回。
スタンダード…36万円。添削の回数が増える。英語学習サポート。
プレミアム…44万円。添削の回数がもっと増える。
◆SI-UK
ベーシック…1万円だが、大学院に合格・進学したら返金されるので実質無料。手続き系のサポートと添削。
スタンダード…9万9千円。サポートとか添削が増える。
あとは、BEOもSI-UKも特化型のサポート(アート系とかオックスブリッジとか)があるみたいです。こうして比べてみると、BEOめっちゃ高いですね…!
では、以下は私が「エージェントの有料サービスは利用しなくていいな」と思った理由です。
理由1 オックスブリッジはエージェントの介入不可
オックスブリッジとはつまりOxfordとCambridgeですが、これらの大学は「エージェントが出願代行することは受け付けていない」んですね。
つまり、エージェントは出願の「お手伝い」まではやってくれますが、結局自分でやらないといけない。なのに、オックスブリッジのサポートの価格は滅茶苦茶高い。BEOで49万円、SI-UKで30万円(修士の出願)です。
私は第一志望がOxfordだったので、あまり意味がないと感じた理由です。しかも、第二志望のUCLもなぜかオックスブリッジサービスに含まれていたので、よく意味が分からず…と思ってしまいました。これは「UCLを受けるなら(オックスブリッジを受けなくても)オックスブリッジサービスの金額を払ってください」と言うことなんでしょうか…?分からん。
どちらにせよ、オックスブリッジレベルの大学を受けるなら、エージェント通さなくても出願できるぐらいの英語力はないと、入学後が厳しいと思います。
理由2 ググれば分かる
エージェントの売りの一つが、留学に関する情報をくれるという点だと思います。が、エージェントがくれる情報って、全部ネットに出てるんですよね。私が無料サービスしか使っていなかったから、有料級の極秘情報が提供されなかったと言う可能性も無きにしも非ずですが、そもそも大学に関してそんな極秘情報はないはずです。
留学する際にエージェントに相談したい内容って主に、(1)⚪︎⚪︎を勉強するならどこの大学か、(2)私の英語力で入れる/ついていける大学はどこか、(3)金銭面、(4)ビザとか生活面、だと思います。
(1)は大学ランキングを見て、上から順に大学のホームページで詳細を見れば良いです。
(2)は入学要件のスコアが「ついていける」英語のレベルです。「入れる」だと、IELTSの場合なら、そこから-0.5〜-1.0してもいいです。英語スコアが多少足りていなくても事前準備コースに課金すれば入学できます。
(3)は大学のホームページで学費を見てください。厳しかったら奨学金を視野に入れてもいいですが、あまり期待しない方が良いです。というか、金銭面を心配するなら、尚更エージェントに課金している場合ではありません。
(4)は、イギリスの大学は今外国人留学生だらけなので、大学側もかなりガイダンスしてくれます。仮に大学から何もガイダンスがなくても、ビザは手順通りにやれば良いだけだし、イギリスの生活レベルで困ることはほぼないです。
イギリスの大学院に留学している/していた日本人がかなり多いので、日本語で書かれた情報も山ほどあります。留学しているとみんなブログ書きたくなるのか、懇切丁寧なサイトがいくつもあります。
エージェントの無料サービスは使いましたが、そこで得た情報で「初めて知った!オンライン上には出ていない!」というものはありませんでした。(何ならいただいた情報、ちょっと間違っていましたよ…!)
理由3 英語は英語のプロに頼もう
エージェントのもう一つの売りが、英語関係(IELTSのサポート、面接練習、添削)だと思われます。が、英語のことで課金するなら、英語専門のサービスを使った方が安くつきます。
BEOもSI-UKも、面接や添削系は回数制限ありです。でも、志望理由書とか面接の内容って、大学によって多少変える必要がありますよね。つまり、複数校受験する場合、各学校あたり1回分しか対策できないということになります。これは、課金する割に見合っていないように感じられました。
あと、イギリスの大学院で面接があるところって少ないです。私は5コース受験して、面接はゼロでした。面接がないなら面接対策が料金に含まれていること自体が無駄です。逆に面接がある場合、各大学練習1回ずつでは少なすぎます。
エージェントの代わりに何が使えるかということも見ておきましょう。
まず、英語そのもの(文法など)の校正だったら、Chat GPTがかなりの精度でやってくれます。書いたものを「英語が正しいか分かりません。添削してください」というコメントとともにChat GPTにぶち込めばやってくれます。ゼロから書かせるのは倫理的にも良くないし、出来も悪いんですが、英語の添削という意味では大変優秀です。
人間に見てもらいたいという場合におすすめなのが、オンライン英会話の先生に添削してもらうという方法です。グーグルドキュメントで書いて、リンクをシェアするという方法で私はやっていました。「オンライン英会話の先生じゃ心配だ!プロに見てもらいたい!」という人は校正サービスを使いましょう。5円/1wordぐらいで見てくれます。
まとめ
「留学エージェントに課金しなくて良い理由」について切々と書いてきましたが、無料サービスまでなら大いにアリだと思います。タダだし、すごく営業をかけられるということもありません。
イギリスの大学院は学費が年々爆上がりしているので、エージェント代は節約でいいなと思っています。特に、大学院は留学生だらけなので、大学側も慣れています。学部ならともかく、大学院レベルなら自分でやれますよ、という私からのアドバイスでした。
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