イギリス留学 ふりかえり

イギリス大学院留学

いよいよイギリス留学も終わりを迎え、帰国が目前に迫ってきました。

思い起こせば、留学すると家族に宣言したのが2021年、留学を考え始めたのが2020年、うっすら留学に憧れ始めたのが2017年かもっと前か、ぐらい。

そう考えると、数年に渡る人生の一大目標だったわけです。それが間も無く終わるわけだから感慨深い。

まだ修了確定していないし、再試の結果が出ていないのが怖すぎるので、大手を振って「留学終わりました〜」とは言えない気分ですが、イギリスを去ったらひとまずは一区切り。

「教員になりたい」に次ぐ、長きに渡る夢の終焉ということで、留学編最後のまとめの日記です。

「大学院留学はコスパが悪い?」

ツイッター/X でちょっと話題になっていた「大学院留学はコスパが悪いか否か」論争。

ツイッターの文脈では主に海外MBAの文脈だけど、自分の場合(教育学部)で考えても、答えは一択です。

コスパは悪い!最悪だよ!!

教育学部のランキングでいえば、世界トップクラスと言われる大学院に通いましたけれど、それでもコスパは悪い。

日本の大学院に通った後、二つ目のマスターで来ているから尚更だけれど、「いやー…これ、役に立つけれど、500万円以上する学費を払うまでではないですよね」感は否めない。

大学側ができる限りの教育環境を提供しようとしているのは分かったけれど、そもそも文系の院って、「教わる」ものではなくて、勝手に文献読んで自分で研究を進めるものなんですよね。

情報へのアクセスが安価で容易に出来てしまうこのご時世では、500万円分のサービスはもう大学側には提供しようがない。

至れりつくせり系の教育サービスをうたうなら可能かもしれないけれど、そもそも文系の院がそういうものではないので。

これは大学の質が悪いとかではなく、文系の研究の教育機関に高額な値段をつけてしまったこと自体に問題がある。

そして、コスパという観点は、「卒業後の人生で、学費分の資金を回収できるか」ということを考える指標のはずだけれど、これもまあ無理です。

就活では、大学院の留学前と比べて「給与を下げないようにする」ということだけは死守したけれど、微増したかなーぐらい。

留学前は教員でしたが、教員って給与自体はそんなに悪くないんですよ。長時間労働になりやすいってだけです。

まとめると、大学側から学費分の教育サービスを提供してもらったわけでもないし、学費を取り返すほどの給与アップが見込めるわけでもない。よって、私の大学院留学はコスパが最悪である。

…と結論づけられるんですが、それでも留学して良かったと思っています。留学したバイアスは大いに含んでいますけれどもね。留学しない人生の後悔を想像しただけでゾッとします。

日本の修士は人生を便利にした。イギリスの修士は人生を変えた。

日本の修士に通ったことで、元々予定していた人生が根本から変わったということは無いです。

勤務先の学校が公立か私立か、ぐらいは変わったかもしれません。

仕事柄、修士課程を経たことで、色々と便利にはなりました。専修免許が貰えて、私立の採用試験が通りやすくなって、給与がちょっと上がった。

でも、研究が人生に大きく噛んでくるってことはなかったです。

一応、修士を終えて教員として就職した後も、何本か論文は出しました。が、出しても出さなくても人生は変わらないだろうなぐらいのインパクトです。

留学にあたってCV書く時の見栄えは良くなったから、そういう意味でも便利ではありましたけれど。

うっすら「人生を大きく変えたい、もっと面白くしたい」みたいな願望はずっと持っていましたが、日本の修士の経歴がその役に立つことは無かったです。

一方で、(まだ卒業確定していないのにこういう話するのはほんとーうに恐縮なんですが、)イギリスの修士は人生をガラッと変えるレベルのインパクトをもたらしたと思います。

10年前の自分は、全然想像してもいなかった方向へキャリアを変えることになりましたけれど、これは海外の院卒という経歴が無かったら厳しかったと思います。

留学するためにひたすら英語し続けた結果、「英語が流暢」が条件の職が当たり前に選択肢に入るようになったのも大きい。

まだ働き始めてないんですが(笑)、仕事を通じて人生の選択肢が一気に広がることがすでに見えている、と思う。多分。

教員の時は「どうやったら人生が面白くなるのか」ということをずっと足掻き続けていた感じがありますけれど、留学を通して、ようやくそのスタートラインに立てるようになったと感じています。

あとは、「海外の大学院に留学するような、グローバル志向を持つチャレンジャー」というように人から認識されるようになったのも、いろんな可能性をもたらしてくれると期待。

さらに、今回の留学は、プライベートというか、人生そのものにもめちゃくちゃ大きなインパクトをもたらしたと言えるんですが、ちょっとプライベートすぎるので割愛します。笑

いずれにせよ、留学していなかったら、ぜんっぜん違う人生を歩んでいた自分が容易に想像できます。私にとって、留学は、そういう「機会の創出」という意味で不可欠なものだったと思います。

留学して自分自身何か変わったのか。

大きく変わってはいないですが、結果重視する傾向は強まったような気がします。

結果そのものというよりは、「結果に繋げるための行動重視」が正解ですね。

日本の院って、もちろん大学や専攻によるとは思いますが、経過の努力が見られることの方が多い気がする。

日本の院というより、日本の教育全般、そんな気がします。

今回の大学院留学では、入る前の英語のスコアがまず明らかに結果重視だし、授業は期末のエッセイ一本勝負だし、ほとんどの場合がランダム採点者だから教授と仲良くなって心象を良くする手法も効きません。

大学院に向けて真剣に準備する前は、「卒業後のことはともあれ、留学するという経験が大事」みたいなモチベーションが主だったけれど、準備し始めて、時間とお金を考えた時に「卒業した後の出口(=結果)」についてもかなり考えるようになりました。

経過重視型が、結果重視型か、どちらかだけが良いということは無いと思います。

ただ、留学を経て、ちょっと結果重視の視点も入るようになった気がします。

32歳の留学だったからこそ見えたものもある。

留学にはだいぶ前からうっすら興味があったものの、実際に留学するに至ったのは32歳。別に遅すぎることは全然無いと思いますが、今にして思えばギャンブル要素も強かったような気もします。

よくMBAの方で見る、「帰る場所が用意されている社費留学」とか、「私費で帰国後は同業他社にキャリアアップ就職」とか、そういう系なら30代でも安心感はあると思います。

でも、自分の場合は、卒業後に今までとは違うキャリアを狙って、仕事も退職して留学、という卒業後が謎!な状態。

教員免許があるから食いっぱぐれることは無いだろうという保険はだいぶ心強かったですけれどねー、それにしてもこのタイミングの留学は一大決心ですよね普通。

この留学が、学部卒すぐで来ていたり、交換留学で帰るところが用意されていたり、あるいは学部留学だったりしたら、全然違う進路を選んでいたと思います。

多分、ロンキャリで無難に日系の大手企業に入って、無難に帰国していたんじゃないですかね。笑

日本で色々やってみて、それなりに仕事が楽しくて安定していて、その結果やっぱり退屈だと気がついてからの留学だったからこそ、今回みたいなキャリアの選択をしたのはすごく感じます。

日本で一通りやってみたいことをやったからこそ、本当にやりたいことを達成するために留学が有効活用できたって感じです。

あと10歳若かったら、「留学の機会を活用してやるぞ!」みたいな意地も無かったと思います。

まとめると…

まとめきれない!笑

色々理想と違うこともあったし、莫大なお金を投入してキャリアぶった斬ってまで来るべきだったか迷うこともあったし、30歳も過ぎてお金が無いという状況に鬱々とすることもあったけれど、留学して良かったです。

何が良かったって、「自分の人生は自分で操縦している」って心から感じられたことかも。

私がずーっと夢にみてきた留学編、これにて終了です。

人生の次の章も波乱万丈の予定ですが、まずはバイバイ、イギリス。次のステージでまた来るね!

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